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先輩の声

加藤 博昭

スポーツファーマシスト(日本アンチ・ドーピング機構

加藤博昭

アンチ・ドーピング活動をきっかけとして
薬局と地域を繋げる

加藤博昭

東京薬科大学
薬学部 衛生薬学科 出身
2018年12月入社

スポーツファーマシスト
日本薬剤師研修センター認定薬剤師

アスリートの薬物治療を支援する薬剤師

加藤博昭

 公認スポーツファーマシストは、最新のアンチ・ドーピングに関する知識に基づき、アスリートの薬物治療を支援する薬剤師のことです。日本アンチ・ドーピング機構(JADA:Japan Anti-Doping Agency)が定める所定の課程を終了後に認定される資格制度で、2009年の設立以来、現在(2020年4月1日時点)までに延べ10,211名の公認スポーツファーマシストが認定されています。 ドーピングとは、競技能力を高めるために薬物などを使用することを言います。フェアプレーの精神に反すること、アスリートの健康を害することなどの理由から禁止されており、意図的であるかどうかに関わらず、ルールに反する様々な競技能力を高める「方法」や、それらの行為を「隠すこと」も含めて、ドーピングとされています。 これに対して、アンチドーピング活動とは、ドーピング行為に反対し、スポーツがスポーツとして成り立つための、教育・啓発や検査といった様々な活動のことを言います。 JADAや各地域薬剤師会によるスポーツファーマシストの活動事例として、以下のような活動が挙げられます。
・学校教育の現場におけるアンチ・ドーピング情報を介した医薬品の使用に関する情報提供
・地域におけるスポーツファーマシストの存在とアンチドーピング活動の周知
・国民体育大会に向けての都道府県選手団への情報提供・啓発活動

薬剤師としての専門性を高めたい

加藤博昭

 “自分自身が興味のある分野で薬剤師としての専門性を高めたい”、“何か薬剤師としてかかわっていく事が出来ないか”、と考えたことがきっかけです。私の場合、趣味としてマラソンや登山をしていましたので、薬剤師にどのような認定があるのかを調べていく中で、自然とスポーツファーマシストに行きつきました。
 薬剤師は大学を卒業し、国家試験をパスした後も、常に学びを続ける必要があります。製薬メーカーや地域の薬剤師会が主催する勉強会の情報は毎日のように入ってきますし、現在ではe-learningで、自宅に居ながら研鑽を積むことも可能です。薬剤師として広く薬についての学びを続けるのと同時に、自分の興味のある分野については更に深く学び専門性を身につけることは、薬剤師としてステップアップする上で必要なことだと思います。

基礎講習会、実務講習の受講、そして知識到達度確認試験の合格が必要

加藤博昭

 他の専門薬剤師の認定と比較して、スポーツファーマシスト認定取得のハードルは低いと思います。応募した後に基礎講習会を受講し、e-learningで実務講習を受講、知識到達度確認試験に合格すれば、認定を取得することが出来ます。薬剤師経験年数も問われませんし、年齢制限もありません。取得までという点でいえば、“大変な事は無い”といっても良いでしょう。

主に医師、患者さんからの問い合わせに対応

加藤博昭

 ドーピングに関するルールは、世界アンチ・ドーピング機構(WADA:World Anti-Doping Agency)によって毎年改訂されており、「禁止表国際基準(The Prohibited List)」と呼ばれる表に、禁止物質とその方法が細かく記載されています。
 薬局の場合、医師や患者さんからの問い合わせがあった際に対応するのが、アンチ・ドーピング活動における主な役割になります。また、服用可能な医薬品に関する相談だけでなく、アスリートが正当な治療を受ける権利として、世界規程で定められている治療使用特例TUE( Therapeutic Use Exemptions )申請のサポートをすることもあります。 何が禁止され、何が禁止されないのかを、ルールに基づいて正しく回答する際に、スポーツファーマシストの認定で得た知識が活かされます。
 また、アンチドーピング活動自体は、スポーツファーマシストの資格認定に関わらず、薬剤師に期待される役割の一つです。同じ職場で働く他のスタッフに対して、自分が主体となって啓発活動をすることも重要と考えます。
 ただ、地域の薬局において、アンチ・ドーピングに関する相談が頻繁にある訳ではありません。自分自身の経験では、そのような相談は年に数件ほどです。勤務する店舗にもよりますが、スポーツドクターや、スポーツが活発な高校・大学等が近隣にあるなど、「スポーツファーマシストとして活動する体制の構築」がないと、現場で認定資格を活かすことは難しい、とも言えます。

「薬のことは薬局で相談すれば良いんだ!」と思ってもらえる存在に

加藤博昭

 日本アンチ・ドーピング機構が公開しているドーピング違反事例の報告を見ると、「もしその場でスポーツファーマシストに相談をしてくれていれば・・・」と思うような事例が多く報告されています。アスリートの方が、薬について自分でチェックすることは容易ではありません。体調の悪い時であれば尚更です。そんな時にサポート出来るのが、患者さんの生活の場に近い存在である薬局薬剤師であると考えています。
 厚生労働省が策定した“患者の為の薬局ビジョン”においても、薬局薬剤師は、内に籠るのではなく、薬局の外との連携が求められています。アンチ・ドーピング活動を一つのきっかけとして、薬局と地域が繋がることが出来れば、そして、アスリートの方が、「薬のことは薬局で相談すれば良いんだ!」と思ってもらえる存在になりたいと思っています。